ウクライナ侵攻を後押しする宗教のプロパガンダ

ウクライナにおける戦争に関してロシアの国教的な立場にあるロシア正教会はどのような役割を果たしているのでしょうか。ウクライナにおける悲劇的な戦争の渦中においてロシア正教会はどのようなスタンスを保っているのでしょうか。
EUオブザーバー紙に3月7日に掲載された記事は「ウクライナに関するロシア教会のプロパガンダは、プーチンの戦争をの正当化するのに利用されている。」と述べています。
例えばどんなプロパガンダがあるのでしょうか。
記事の中でとりあげられているいくつかの点をご紹介します。
ロシアとウクライナは一つになるべき
2022年2月27日、平和の祈りについて発言した際に「神は私たちの兄弟の血で染まったひどい線がロシアとウクライナの間に引かれるべきであることを禁じています」と述べました。
God forbid that a terrible line stained with the blood of our brothers should be drawn between Russia and Ukraine.
THE RUSSIAN ORTHODOX CHURCH
聖なるロシアを攻撃する勢力は破壊すべき
3月3日、プーチンが「西側によって作成されたこの反ロシアを破壊する」と発表した日に、モスクワ総主教区は、各教会で捧げるための「特別な祈り」の文言を教区に回覧しました。

「世界の復興のための祈り」と題されたこの祈りの言葉には「永遠に私たちの心に兄弟愛と平和の精神を確立してください」という祈りのあとに、「聖なるロシアに対して武装した人々を叱り、その計画を禁じ破壊する。」よう神に求めています。
キリストが教えていること
ロシア正教会はキリスト教の一つですから、キリストの教えに従うべきです。ではキリストはなんと教えたのでしょうか。
「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。 」
(マタイ5:44 新共同訳)
「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」
(マタイ26:52 新共同訳)